ここ最近は、時代劇専門チャンネルで放送されていたドラマ「陽だまりの樹」を見ていました。
この作品は2012年にNHKBSプレミアムで放送されていたそうです。
全12回。
あらすじ
日米和親条約が結ばれた翌年の安政2年。隠居した父・千三郎(西岡徳馬)の跡を継いだばかりの常陸府中藩士・伊武谷万二郎(市原隼人)と、常陸府中藩の藩医・手塚良仙(笹野高史)の息子である蘭方医・手塚良庵(成宮寛貴)は、共に善福寺の住職の娘・おせき(黒川芽以)に想いを寄せていた。ある日、万二郎は3日前に入門した千葉周作の道場・玄武館で、清河八郎と斬り合いになり、深手を負う。千三郎は妻のおとね(池上季実子)に良仙を呼びに行かせるが、留守のため、代わりにやってきた良庵が、初手術ながらなかなかの腕前で万二郎の傷の治療をした。数日後、今度は良庵が3人の武士たちに襲われるが、万二郎がこれを斬り倒す。やがて深い友情に結ばれたふたりだったが、幕府軍歩兵隊の隊長と軍医として戦地に赴くことになる。
原作は手塚治虫の同名の漫画で、主人公の手塚良庵は実の祖父にあたるそうです。
幕末ものとしては珍しい職業の人が主人公だな、と思って見始めました。
以下ネタバレ感想です
モヤモヤしたことを書き綴っているので、あの作品が好きな人は読まないのをおすすめします。
この作品は2012年にNHKBSプレミアムで放送されていたそうです。
全12回。
あらすじ
日米和親条約が結ばれた翌年の安政2年。隠居した父・千三郎(西岡徳馬)の跡を継いだばかりの常陸府中藩士・伊武谷万二郎(市原隼人)と、常陸府中藩の藩医・手塚良仙(笹野高史)の息子である蘭方医・手塚良庵(成宮寛貴)は、共に善福寺の住職の娘・おせき(黒川芽以)に想いを寄せていた。ある日、万二郎は3日前に入門した千葉周作の道場・玄武館で、清河八郎と斬り合いになり、深手を負う。千三郎は妻のおとね(池上季実子)に良仙を呼びに行かせるが、留守のため、代わりにやってきた良庵が、初手術ながらなかなかの腕前で万二郎の傷の治療をした。数日後、今度は良庵が3人の武士たちに襲われるが、万二郎がこれを斬り倒す。やがて深い友情に結ばれたふたりだったが、幕府軍歩兵隊の隊長と軍医として戦地に赴くことになる。
時代劇専門チャンネル から引用
原作は手塚治虫の同名の漫画で、主人公の手塚良庵は実の祖父にあたるそうです。
幕末ものとしては珍しい職業の人が主人公だな、と思って見始めました。
以下ネタバレ感想です
モヤモヤしたことを書き綴っているので、あの作品が好きな人は読まないのをおすすめします。
物語の最初の方、コミカルな演出や音楽と相まって、気楽な感じで見始めました。
W主人公もそれぞれ女好きの良庵と生真面目すぎる万二郎というコンビはいい対比で面白かったです。
エンディングの映像も、良庵と万二郎とおせきが3人で江戸の街を楽しそう散策していたり、何者かに襲われているのを万二郎が2人を庇って戦っていたりと、とりあえずメインはこの3人の青春群像劇なのかな?と思っていました。
しかし段々と嫌な感じの展開になってきました。
それも歴史的な事件に関係してではなくて、主に万次郎周辺で。
安政の大地震で助けた娘、お品が万次郎に恋をした時は、まあ万二郎かっこよかったからそうなるよね、って感じで流せましたが、その後万二郎と因縁のある浪人に強姦される展開ではどうしてそうなる!?って意味が分からず。
しかもその後ずっとお品は登場しない。何のためにこのエピソード入れたのか。良庵と万二郎、どっちの視点でも知るはずのなかったこと。でも視聴者だけが知ってしまった。
続いて米国使節団の警固役となった万二郎 が、通訳のヒュースケンと友情のようなものを築いていたのも幕末ものでは珍しいな~と微笑ましく見ていたら、まさかのヒュースケンがおせきを強姦するという展開。
歴史上の人物にこんな行動させることにもびっくりしたし、さらにメインヒロインだと思っていたおせきが尼寺へと入り、あっさりと物語から退場していったことにも驚きました。全12回のうち、散々引っ張った万次郎の恋がようやく成就したと見せかけた8話でのこの急展開。
じゃああのやたら爽やかなエンディング映像はなんだったのでしょうか、と。この時点でヒロインと目して登場した女性2人ともが強姦で舞台を去るという鬱憤ばかりが溜まる仕様。
安心して見られるのは良庵とその妻おつねだけでした。
そしてついに第三のヒロインの登場。この時点で残り4話です。
幕府軍の歩兵隊隊長となった万次郎が、真忠組という尊王攘夷を掲げて暴れまわる集団を討伐しに行き、幕府軍のスパイに来ていた真忠組首謀者の妹に一目ぼれ。
万次郎はずっとおせきに一筋、もしくはいい意味で堅物だと思っていたので、こんなにハニートラップに弱いタイプだったとは思いませんでした。 しかも真忠組の首謀者は万二郎の父の敵でもあります。その妹に惚れちゃうってどうなのでしょう。
真忠組討伐成功後、綾に兄の仇と狙われる万次郎。見ながら多くの人が突っ込んだと思いますが、それを言ったらあなたの兄は万二郎の父の仇だよ、と。しかも万二郎がずっと想っていたおせきに強姦未遂事件を起こしていたのもこの綾の兄でした。万二郎が助けたから未遂ですんでいました。
綾が仇討ちに失敗してからしばらくして、万二郎は綾が女郎に身を落としていると知りました。 どうやらあの兄の借金のカタに連れていかれたそうですが、正直ストーリー上とってつけた感がすごいです。あなたのお兄さん、豪農から大金せしめてはあちこちの農家にばらまいてたじゃないですか。 それに借金あった割に綺麗な着物着て自由に動いて仇討ちしに来てたじゃないですか。
さらにここでようやくずっと放っておかれた第2のヒロインお品が再登場。
なんとあのとき強姦してきた男、陶兵衛との間に子供ができてしまって、一緒に暮らしているけれどまだ万二郎のことを一途に思っている様子。陶兵衛を追って万二郎はお品と再会するも、万次郎はお品のことをさっぱり覚えていませんんでした。
万二郎にとっては数年前のことで覚えてなくても仕方ないこととはいえ、お品が不憫でならなかったです。
私の中で万二郎の高感度が8、9話あたりからどんどんと下がっていきました。
そして100両もの大金を出して綾を身請けして帰る途中の山道で、陶兵衛と因縁の決着を付けます。陶兵衛は死に、巻き込まれて頭を打った綾が植物状態になるというまたもや超展開。
さらに陶兵衛の死をお品に報告に行き、最後の最後でお品のことを思い出し、お品に「あの時の・・・」と声を掛ける万二郎はとっても残酷でした。悪気がないだけに酷いシーン。
この時点で、万次郎と関わって幸せになれる女性は一人もいないという凄いものでした。
さらに植物状態になった綾を引き取ったので、万二郎の母は夫の仇の妹の介護という地獄が開始。植物状態の綾に恨み言を聞かせたり、そんな自分が鬼になってしまったと泣いたり見ているこっちもとてもきつい状態でした。あと綾がずっと目を見開いているので、目を閉じてはいけないのかと不思議でした。見ていて不安になりました。
遊び人でふらふらしていた良庵はところどころで人間としての成長を見せてくれたのに、W 主人公である万二郎は最初から最後までまるで変わらず、自分のしたいことだけをする。
最初の方は万二郎の生真面目さも朴訥さも好ましかったのに、回を増すごとにもうこのひとだめだ、という感じになっていきました。
とどめは意識を取り戻した綾と祝言を挙げ、その夜に離縁状を渡した上に家を出ていき上野の彰義隊に参加。それから家に帰ってこなかったこと。
なんて身勝手で最低な人なんでしょうか。ドラマ自体は爽やかな感じにまとめていましたが、正直後味がすっきりとしないドラマでした。
原作はべた褒めしている人が多いので、きっとドラマの12回という縛りや改変などでいろいろと変わってしまったんだろうなあと思っています。
でもエンディングの映像は7回目まではともかく8回目からは変えるべきだったと思います。あれは誤解を生むし、そもそも本編でエンディングに使用されたシーンは全くなかったですね。
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