徒然雑記

映画「空海ーKU-KAIー美しき王妃の謎」を見てきました。



中国では「妖猫傳　Legend of the Demon Cat」というタイトルで公開されました。
その名の通り、ある意味主役は猫。
邦題が「空海」だからと言って空海の伝記的なものを期待して見に行くとがっかりすると思います。原題「妖猫傳」の方が内容にはあっています。

ストーリーは空海と白楽天がともに猫によって起こされた怪事件を追っていくうちに、30年前に亡くなった楊貴妃にたどり着くというもの。
幻術なども当たり前の存在として描かれるので、中華ファンタジーに抵抗なければとても楽しめると思います。ただちょっとホラーテイストでグロいシーンもあります。


とにかく圧巻の映像美でした。オープニングからひたすらに美しい。
絢爛豪華とはまさにこのこと！予算があるって素晴らしい。
再現された唐の都長安の豪華さ、エキストラの数、きらびやかな衣装。
もう何もかものスケールに圧倒され続けました。
まさに大唐。永遠の都。
そこで繰り広げられるストーリーは、もうとにかく見て、としか言いようがありません。
何よりも楊貴妃という「傾国の美女」を映像で見れる幸せ。
これは国が滅ぶし、出会う男すべてを虜にしても仕方ない・・・という納得ができる美貌に気品、にじみ出る知性、慈愛と守らなきゃと思わされる儚さ。
楊貴妃の伝説の美女っぷりの説得力、これによって作品全体の説得力も増していると思います。
謎がどんどん解明されるにつれてとても切なくなり、最後は泣きたい気分でいっぱいでした。

キーワード的に白居易の長恨歌が割と冒頭から出てくるのですが、「比翼連理」の元ネタだったかな？くらいで詩を覚えていなかったのを残念に思いながら見ていました。
これから見に行く人は先におさらいして行くのをおすすめします。

それと挿入歌がRADWIMPSで驚きました。似た声だなーと思っていたらまさかの本人。

今この映像を見ると、本当に美しく切ない愛の物語だったなあと思います。